塩田 典保 氏
一般社団法人つばさ

 精神障害領域から小児領域に進み、現在は『一般社団法人つばさ』の放課後等デイサービスで作業療法士をしている塩田典保さんにインタビューをさせていただいた。プライベートでは泥団子や気球など栃木県内外で地域に開けたアクテビティ活動も行っている。

作業療法士になったきっかけを教えてください

 元々はスポーツリハに関心があり理学療法士を目指していました。
 受験をきっかけに作業療法士の存在を知りました。作業療法の学校に通っていた先輩に話を聞いてもらい興味を持ちました。調べる中でものづくりや広い視点に関心が強くなりました。

スポーツリハ希望から新卒で精神障害領域を選んだ経緯は?

 学生時代に就職活動の時に体と心の両方できるようになりたいと思っていました。
 そのため、老人保健施設と精神科を併設した機関に入ることでその経験が積めると思い就職しました。精神科自体に抵抗感が無く、興味もありました。

更に精神障害領域から小児領域へ飛び込んで見てどうでしたか?

 精神科での10年の臨床で急性期から就労・定着支援まで経験をしましたが、ベースに発達障害がある方や幼少期の出来事から入院に至った人たちの多さが気になっていました。
 ボランティアで小児領域に関わって行く中でここも知っておいたほうがいいな、関われるものなんだなという実感があり、ドキドキ不安を感じながらも飛び込んでみようと思いました。
 不安はあったけれども情報収集をする中で小児の領域で働く人たちに「できるよ」という後押しをもらったことも大きかったです。
 最初の数ヶ月は周囲から小児OT的な見解や要求を求められることに対して自分の非力さに葛藤がありました。それでも、自分なりに準備をしたり、精神科で培った経験はかなり活かせると思って徐々に楽になることができました。
 転職で戸惑うことがあると思いますが、飛び込んでしまっても大丈夫だと思います。
 むしろ、精神と発達の親和性の高さに驚いています。目の前のお子さんを通して、ご家族、そして取り巻く社会に視点をおける精神科出身のOTは貴重な存在になるんだと強く感じています。精神科病院での作業療法士の役割は変化してきています。恐れず、飛び出してみるのも一つのキャリア形成になるのではないかと感じています。

精神科での経験が活きるとは?

 行動観察からその行動が何から来ているのかという分析は特に分野が違っても違和感はありませんでした。
 マネージメントスキルは共通していて、その後の声かけの方法や示し方も同じで感覚統合的な分野も合致する視点があると思います。
 ただ、脳性麻痺などの身体障害領域での小児の技術的な関わりや知識は不足しているため、その領域に行くなら勉強が必要だと思っています。

放課後等デイサービス(療育)の魅力は?

 お子さんそして親御さんに関わる時間が圧倒的に多いことが魅力。子どもの成長に当たって『遊び』は大切で、放課後等デイサービスでは日々の関わりと近い距離感でリアルな場面でリアルな声かけができます。それが蓄積されて、集団を動かしながら子ども達同士に『気づき』が産まれて対人関係スキルや体の使い方を自然な形で学ぶことができることにやりがいを感じています。
 療育の事業所ではOTの視点やニーズはとても高いと感じております。
 しかし、知識量や技術量も大切だけれども、一緒に考える姿勢が何よりも大切であると思います。

最後に塩田さんの仕事観(作業療法)はなんですか?

 子どもたちと家族がワクワクする社会をつくること。そのために何ができるかを考え、行動して行くこと。自分がプレイヤーであり、そこに一緒に行動に移す若手OTプレーヤーも導いて行くことだと考えています。
 作業療法は世の中に誇れる職業の一つだと思っています。だからこそ、自信をもって「作業療法とは○○という職業です!」と言えることは大切だと。さらに言うと、「私の仕事は○○をすることです!」とはっきりと伝えるのとができ、行動できる人になりたいと思っています。

では、若手OTが研修会で塩田さんに会ったら話しかけてもいいですか?

 もちろん、そうしてもらえると嬉しいです。

【インタビュアー】
広報部 ウェブサイト管理運営部門担当
仲田 海人