松川 勇 氏
足利赤十字病院

何故、認定作業療法士を取得しようと思ったか

 職場の先輩に誘われて県士会で行われている教育部の基礎研修を受けに行ったのが最初でした。新人の時は新人教育プログラムにただいかなきゃいけないと思って参加しました。そのため、認定作業療法士を念頭に置いている訳ではなく、よくわからないまま参加していました。
その後、自分の立場が変わっていく中で目的を持って学ぶ必要があると考えるようになりました。

認定作業療法士を取得する中でどのようなことがありますか

 認定作業療法士取得研修に行ったら意外と面白かったのです。東京で開催することが多いので、栃木県は遠くない距離でしたし、研修に出ていく中で同じような年代や課題意識を持った作業療法士にも出会うこともできました。研修の内容は私にとっては質の高いもので、認定作業療法士の資格が取りたいというよりも、作業療法の興味深い研修を2日間8000円で受けられることへの期待が大きかったです。また、研修を受ける中でも知り合いが増えていき、職場の作業療法士以外から教わることができる関係ができるのは大変貴重だと実感しました。
取得の過程においてはやはり事例登録が一番のハードルのように感じました。事例登録が終わったときはほっとしました。
 認定作業療法士を取得した後は、学会や教育部からの査読依頼を多くもらうようになりました。

専門作業療法士へのビジョンは

 今は高次脳機能障害の専門作業療法士取得研修を受けています。専門作業療法士取得研修は年に1回のみの開催が多いので、毎年着実に研修を受けていく必要があります。
認定作業療法士の研修と同様に、興味深い研修を受けることができます。さらに、その道の第一線で活躍されている講師が教えてくれるありがたさもあります。講義内容はだんだんマニアックになっていきますが、研修内容が自分自身の知識や技術の向上につながるので楽しいです。
 専門作業療法士への道のりは長いので、資格はあくまで延長線上・その先にあるという気持ちで学んでいます。でも、やはりゴールがあったほうがそれをめがけて頑張れると思います。

最後に、臨床の壁にぶつかっている作業療法士さんへ

 1人職場や先輩のいない職場では臨床の疑問を自力で解決していくことは大変だと思います。私は2年目から先輩がいなくなり、実際に困ったし、相談できる先輩がいる職場を羨ましがっていましたが、今は多くの同僚がおり、実際は後輩に教えられることの方が多いので、先輩にこだわる必要はなかったと気づきました。とにかく相談できるOTがいれば十分だと感じています。
 栃木県作業療法士会の作業療法士として個人単位でも相談し合える繋がりができれば少しずつ前に進むことができると思います。もちろん、職場内で教わることもできますが、研修会や学会では職場以外のOTに教わる貴重な機会が得られます。
今まで知らなかった患者さんへのアプローチや考え方も学ぶことができますので気軽な気持ちで県士会の研修に参加してみてはいかがでしょうか。

【インタビュアー】
広報部 ウェブサイト管理運営部門担当
仲田 海人